パニャ(Phang-nga)周辺
朝、まだ暗い頃、大ぶりの雨が降っていた。だが、明るくなる頃には雨は止んでいた。今日は、予定を変更して海岸線に南東へ進んで行くことにする。この周囲に見所がいくつかあるということがわかったからだ。それに、移動だけに時間を費やすよりも、多くある自然公園に立ち寄りたいと思ったからだ。そして、一応、今日の最終目的地はKrabi(クラビ?)の町とする。
宿を出て、Phang-nga(パニャ)の周囲を徘徊する。 | |
行ってみたのは町の東側だ。 そこかしこに、朝ご飯を食べる為の食堂らしきものが開かれていた。 |
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町外れに流れていた川。 | |
町外れを徘徊する。 | |
すると、ふと、このような看板が。 "Tham Sam Rock Art"とある。 ART? 芸術? 美術? なんのこっちゃ? |
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向こうを見てみると、何かあるようだ。 とりあえず近づいてみることに。 |
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目の前に広がる美しい沼。 | |
沼からの景色。 | |
Tham Sam Rock Art
先へ行ってみると、ふと、小さな洞窟らしきものを発見。 | |
洞窟からの景色。 洞窟の中は、一部がコンクリートで固められている。 よく見ると、奥の部分にガラス瓶の割られた破片が散乱している。 パンクしたら危ない・・・。 |
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最初は、ただの洞窟か・・・ と思っていた。 | |
だが、帰ろうかと思った瞬間、目に飛び込んできたのは、描かれた壁画の多くであった。 | |
これは凄いではないか。 昔の人が書いたのかな・・・。タイ語の説明が読めないのでまずは憶測するしかない。 |
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岩アートの数々 | |
凄いもんだ。 | |
いろいろな絵。 | |
生活観の溢れる岩アートである。 | |
そして、岩アートの洞窟を離れる。 | |
パニャ(Phang-nga)からクラビ(Krabi)方面
細い道をいくつか辿ってみた後、Phang-nga(パニャ)の町を後にすることにする。 | |
ふと、橋を渡る時、海に浮かんだ家々が見えた。 おおお・・・。 |
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更に、道を進んで行く。 海に浮かんだ家々を見たい! という気持ちは高まるばかりだ。 |
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ふと、道端から見えた仏像。 | |
仏様。 僧衣を来た人々が暮らしているのが見える。 |
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海の上の町、BANG PAT
Krabi(クラビ)の町へと向かって進んでいる途中、海岸線方面のわき道の方向に、8kmで自然公園らしきものがあるとの看板が出ていたので行ってみることに。 | |
昨日ツーリスト・インフォにてツアーを勧められた際に、海の上に浮かぶ家の写真を見て以来、海岸線沿いへの興味が高まっていたのだ。
そのようなことがあり、その小さな道を進んで行く。 こんなに小さな道なのに、周囲には家がたくさんあり、売店やら何やらもたくさんある。 私が進んで行くと”なんだこれは”と言った顔(をしているような気がする)でこちらを見る村人の数々がたくさんいた。
途中、水と揚げたお菓子風の食べ物を買ったが、やはり英語は通じなかった。 最初は、化粧品かと思われたようだ。
そんなこんなで、最終地点に到着する。 何やら、それらしきものがあるかな・・・ という雰囲気が出てきた。
そうしたら、あったあった! 水の上に立つ家の数々! でも、昨日見た写真とはちょっと違うな・・・。 他のところにもあるのかな。 自転車を置き、街中を散策する。 |
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船着場。 | |
川と海とが交わるところに、この町はあるようだ。 | |
そして、主な通路はコンクリートで作られているようである。 バイク等がこの狭い道路を行き交いしている。 |
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大きな大きな鍋で食事を作っている人々。 | |
船着場から家々を見上げたところ。 | |
街中の景色。 コンクリートの通路を進んで行く。 もちろん、水の上に立っている。 |
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船で漁をしている人がいる。 | |
綺麗に並んだ家々。 開け放しになっているので家の中もついつい見えてしまう。 というか、向こうの人はそんなこと気にしていないみたいだ。 電化製品も数多くあり、文明的な生活を送っているのが伺える。 もちろん、テレビも。 |
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そして、町を離れる。 どうも、観光客にあまり慣れていないらしく、あまり話し掛けられなかった。 売店も、やっているのかやっていないのかわからなかったし。 |
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だが、このような、観光客軽視の姿こそが本来の住民の姿なのだろう。 観光地で接してくる現地人より、ここのように余所余所しい人々の方が、とても好感を覚えるのだ。
BANG PATを出てAo Luk Nua
BANG PATを出て大通りに戻った後、少し進んだところでやがて12時となる。 右を見ると、何やら作業着を着たような人がたくさん食事を食べているのが見えたので、様子を伺いながら食事をもらうことに。 従業員の対応は笑顔が基本だが、やはりタイの笑顔は一味違う感じだ。 ジェスチャーで料理を選び、お金を渡す。 これまたおいしい! ナンプラをかけて、辛さを足して食につく。 私がコップを取って水を飲もうとしたら、氷が入っていないようで入れてくれたりした。 思わず”サンキュウー!”の声が出る。 食事を済ませ、再度、走り始める。
KRABIまで76kmの看板。 | |
スコール。 道端に多くある、屋根のある停留所のようなところでスコールをやり過ごす。 大体、どのスコールも30分から1時間もすれば止むようだ。 |
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道を進む。 今回は、自転車の調子がとても良く、ほとんど疲れることがない。 |
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少しの雨が降ったりもするが、さほど長くは降らない。 多少の雨はそのまま浴びると、体が冷えてとても気持ちがよい。 ただ、浴びすぎると風邪引きそうになってしまうが。 |
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やがて、景色が変わってきた。 | |
崖の景色が、先日のPhang-nga(パニャ)に似ている。 | |
そびえ立つ看板。 | |
そして、新たな町へ。 | |
"WELCOME TO AO LUKTAI MUNICIPALITY"とある。 地図に該当する場所がない・・・。ここは"Ao Luk Nua"だとは思うのだが。 実際、後にここが"Ao Luk Nua"であることが確かめられたが、この看板は一体? 州とか郡といった枠組みでの名前かな。 |
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Than Bokk horani国立公園
大通りの十字路の付近では国立公園の看板がたくさん出ていた。その交差点で信号を待っていると、近くに座っていた人が近づいてきて、どこに行くのだ?とジェスチャーで聞いてきた(ような気がした。) 私は”Than Bokk horani(ザンボックホラリ)ナショナルパーク”と言うと、それなら1kmくらいだとのこと。 ”サンキュウー”と言い、そちらへ進むことに。
1kmとは言われたが、10kmはあるだろう・・・ と、現地人の距離感覚を甘く見ていたが、今回は正確に1kmほどで着いた。 | |
国立公園の中へ。 | |
国立公園では、どこに行ったら良いのかさっぱりわからなかった。 そこで、ひとつの建物に入り、まずは英語で、次に6ヶ国語会話本を用いてジェスチャーで対応し、パンフレットをもらうことが出来た。 このような、一つ一つの対話が笑いながら対応してくれて、とても微笑ましい。
どうやら、向こうは、言葉が通じない人が来て”どうしましょうー”とスタッフ同士がにこやかにじゃれ合っているような感じではあった。 おばさまと若い女性2人が対応してくれました。
その建物を出て、奥にあるというウォーターフォール(滝)に向かってみることに。
ここは、滝への入り口。 この入り口で、入場料の200バーツを収める。 そこには若い女性一人と若い男性1人が勤めていて、英語でチケットについての質問を話し掛けたが、よく通じなかった。 |
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私にチケットを渡してくれた女性は、チケットに印字された200バーツのところを指差し、”ぼったくりではないですよ。決められた価格ですよ。”ということをきちんと説明していた。 さすが、国(?)が推進している事業はしっかりしているな、と思った。
森の中を、通路を伝って進んで行く。 他に全くお客がいない・・・。 シーズン外だからか、それとも何なのか。 さすがに雨も降っているし。 |
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滝は、小さな段差がいくつも連なっているようだ。 これはまだ小さいもの。 | |
多くの滝が、様々なところにある。 | |
水が多いせいか何なのか、段差部分が小さい。 | |
これでも大きな方に入る。 どうも、ここの滝は大きさではなく、その姿の美しさが売りのような気がする。 |
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そして、国立公園を後にすることに。 ここを歩いている間に雨が強くなってきたので雨の中を歩き、入り口に戻った。 入り口の建物の方に目を向けてみると、なんと、自転車がスタッフの監視所下に移動しているではありませんか。 雨が降っていたので移動してくれたようだ。 素晴らしい親切だ。 この女性の笑顔も素敵だし。 サンキュウー、そしてグッバイーと挨拶をし、手を振りながら分かれた。 こちらに来てから、手を振る回数が増えたなあ、と思う。
Ao Luk NuaのPET CAVE その1
国立公園から出て、さてどうしようかと思っていると、ふと、学校らしきところから人々がずらずらと出てくるのが見えた。 | |
学校のような大きなところには、必ずと言っていいほどこのような肖像画が飾られている。 王族の人たちであると思われるが、誰であるかは不明。 |
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そして、町を離れ、次の町へと足を進める。 | |
宗教的、或いは王族に関する建築物が数多く見える。 | |
そして、そのまま次の町へ行こうと最初は思っていたのだが、ふと、わき道を10km弱ほど行ったところに洞窟があるようなので、行ってみることに。 | |
このような、小さなわき道ですら、その道の周囲に人々が住んでいる。
人が住んでいないところは無いのではないかとも思えるくらい、人々が多くのところに住んでいる。 そのくらい、豊かな国なのだろう。
そして、PET CAVEへ。 | |
最後だけ、少し砂利道だ。 でも、ほんの少し。 |
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何やら、切り立った崖が見えてきた・・・。 |
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Ao Luk NuaのPET CAVE その2
いよいよ、洞窟だ。 | |
入り口は、あそこらしい。 ふと見ると、管理人と思われる女の人が洞窟の手前にある屋根のある建物の下にいる。 |
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洞窟には、このような仏像が祭られていた。 | |
そして、これだけかな・・・ と思って去ろうとすると、管理人の女の人が、半分”義務”のようなおっくうな足取りでライトを奥から取り出し、私に手渡してくれた。 ななな、なんと。 ライトが用意されているとは・・・。 びっくり。
どうやら、洞窟はこの仏像とは別にあるらしい。
入り口は、仏像のすぐ横にあった。 おおお。 本格的だ・・・。 |
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中は、日本の鍾乳洞探検とは違い、通路も何も用意されていなかった。 最初、ここが道かな? というところを進んでいったら、いきなり片足が”ジャボン!”と水溜りの中に落ちてしまった。 |
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いやあ、面白い! 面白いよ、この鍾乳洞! 日本の鍾乳洞に慣れた私としては、この面白さはとても新鮮だ!
靴が水に濡れたことにより、鍾乳洞が益々滑る・・・。 滑っておっかない。 そして、ふと、ライトが弱くなってきたような? 気のせいじゃないよな・・・。 最後まで持つかな・・・。
鍾乳洞を、奥へ奥へと進んで行く。 | |
ライトの明かりの他に光はない。 ほんのささいなことですが、その感覚がとても面白いものだ。 |
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そして、やがて、急にライトの光が弱まり始めた。 おひおひ・・・。 まじ?(汗)
まだまだ奥があるけど、そろそろ戻った方がいいよねえ・・・ と判断し、戻り始める。 が、戻り始めてすぐに、ライトは物が見えなくなるくらいまで暗くなった。 おひおひ・・・。
が、ふと目の前を見ると、岩が1つだけ光っている。 目が暗さに慣れたのか、或いは”ひかり苔”か?と思ったが、どうも何かおかしい。 じーーーっと見ると、どうやら、外の明かりがその岩にだけ当たっているようだ?
最後の助けだ。 この光の方向に向かえば帰れる。 そこで、足元はすり足で、進行方向を手で障害物確認しつつ、入り口への帰還を試みた。 この時、思いのほかあっさりと戻ることができたのだが、それは、入り口から10mかそのくらいしか中に入っていなかったからであって、もっと進んでいたらやばかった。 このような、一人での旅はもっと気をつけなくては。
そして、仏像前に戻ってきたらいきなりスコールが。 これは激しい・・・。 しばらくここで足止めに。 スコールが終わるのを待つ間に寄付箱があることに気づいたので、その中に少し入れようとしたら、そこじゃなく、仏像前の布の中へ入れるようにという。 んんん。 ここじゃないのかな? と思いつつ、ジェスチャーで案内され、布の中にお金を入れる。 どうも、この女の人の表情が、”喜んではいるが、それを顔に出さないようにこらえている表情”のような気がした。 寄付額が多すぎたのかな・・・。 と思いつつ、スコールが終わるのを待つ。
スコールを待つ間、”電池が切れたのならばもう1回見に行くかい?”のようなニュアンスもされたが、それは勘弁しておいた。 約1時間経ち、スコールは終わった。
1バーツ2.7円だとすると1000バーツで2700円。 そんなに高い額ではないと思うが、向こうの相場は違うしなあ。 ただの洞窟だと100バーツ程度であったと思うのだが、仏像が立派だったのと、この女の人の仕草が気にかかったのでこの額にしたのであるが。
そして、次の町へ行くような時間ではなくなってしまったので、先ほどの町、Ao Luk Nuaに行って泊まることに。 とある世話好きの親父さんにホテルを教えられ、最初はわからず行き過ぎ、他の人に更に聞いてようやくホテル近くに達し、更に、勤務時間が終わったと思われるおまわりさんに再度聞いて、そのすぐ近くにあるホテルに辿り着くことが出来た。 ふう。 長かった・・・。 エアコンなし(ファンのみ)で250バーツだったか。 大きな部屋で、とても快適だ。
その後、街中を歩き食事を探す。 マーケットは雨が降ってきた後だからか何なのかほぼ全て終わっており、屋台などで食事を取る。 先ほどの親父さんのところでも食事を出していたので食べた。 屋台で買った、豆乳のような飲み物がとても新鮮な、そんな屋台三昧の夕食であった。
そして、快適な夜を過ごし、明日に備えた。