ローマ到着
やがて、飛行機はパリのシャルル・ド・ゴール空港へ。
窓から見える街の光が、気のせいか、ほんわかと黄色く包み込むように光っているように感じた。
シャルル・ド・ゴール空港は、有名な建築家が作っただけあって、なかなかに洒落ている。 | |
ここで数時間を過ごし、そして、いよいよローマへ。 | |
パリからローマへのフライトにて、空に飛び立つ時に雲の中を突き抜けて行ったのだが、雲が2階層になっていて、最初は低いところに小さな綿雲がたくさんあり、そして、もっと上に、広い範囲で雲の壁が出来ていた。
ふと、これがいつものことなのかどうかはわからないが、頭の中に、小泉八雲(ラフカディオハーン)が日本の空を見て言った言葉、「空がとても高い」という言葉が思い浮かんだ。 つまり、地中海の空は低い、ということかな? と。 私が見たヨーロッパの空はこれが初めてなので、実際どうなのかはともかくとして。
そして、数時間のフライトの後、いよいよローマへと到着した。
空港は普通、そして、噂に聞いていたスリの軍団らしき人影もなし・・・。時間帯にもよるのかな。 そして、早速電車に乗り、ローマ中心のテルミニ駅に向け、出発した。
窓の外から見える風景は、どこか物悲しい・・・。 タイで見た風景にも似ている。 どこかヨーロッパらしくない・・・。 イタリアの車はとても飛ばしていると聞いていたのに、窓から見える車とバイクは、とても丁寧な運転をしているように見えた。
そして、いよいよテルミニ駅に近づくと、何やら大きな水道橋? か何かの跡が横に見えてきた。 うおー と思いつつも、通り過ぎてゆく。 でも、これだけではただの石のかけらという感じだ。
この時点では、何だか乾燥して寒々とした景色で微妙だなあ・・・ と思いつつ眺めていた。 あくまでもこの時点では。
そして、テルミニ駅に到着。 駅構内にスリが大勢いると聞いていたが、それらしき人影はほとんどなし。 噂だけか、昔のことなのか、或いは、取り締まりが強化されているのか何なのか。
駅を出て、ふと歩き出す。 | |
何があるのか・・・ と思いつつ、ぶらぶらと散策をする。 | |
ローマ市街はほとんどが石造りだ。 | |
道路を眺めて。 | |
散策していると、ふと目の前にピザ屋を見つけたのでひとつ買ってみることに。 90セント(0.9ユーロ)で一切れ。 まあまあかな。 |
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これがピザ屋。 | |
更に歩いて散策をする。 | |
目の前の道路には、路面電車も走るようだ。 | |
ローマ・テルミニ駅周辺
更に歩いて、違うピザ屋に入る。 ここではグラム売りで、先ほどよりも大きく切られてしまい、2.6ユーロ。 味は東京で食べるものとそうは変わらないような? 東京の味が肥えているのかな・・・ と、そんな気もする。 |
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どことなく、散策を。 | |
電車から見えた水道橋のようだ。 大きい! だが、それほど感動はしない。 うーん。 |
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更に歩き、バールという立ち飲み喫茶に入ってみる。 カフェラテを頼むが、なかなかうまい。 砂糖を2つ入れ、おいしく頂く。 立って飲むと1.2ユーロ。外のテラスで座って飲むと2.4ユーロらしい。 半分道に迷っていたので、飲み終わった後、ここの人に今の現在位置を聞き、現在位置を確かめた。 |
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そして、再度街中へ。 | |
どうやら、遺跡群とは違う方向に歩いていたようだ。 段々と、景色が変わってくる。 なかなか、ローマの街中は複雑だ・・・。 |
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このあたりから、ホテルを探し始めた。 | |
最初、ファン付で50ユーロのホテルを発見。次に60ユーロ。 まだ納得できないので更に探す。 もしかしたら、ローマの宿泊はかなり厳しいのでは・・・ と思い始める。 |
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ふと、立派な建物が目の前に見えてきた。 | |
宿を探し、何件か一杯だと言われた後、100ユーロでエアコン付の部屋を見つけた。更に回ると、70ユーロでエアコン付の部屋もあった。 でも、50ユーロだと7000円ちょっと、60ユーロだと9000円くらい、100ユーロだと1万5千円近くということを考えると、とてもそんなに出す気になれない。 |
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遠くに見えるサンタマリア・マッジョーレ教会 |
そんなこんなでホテルを探しつつ歩いていたが、目の前に見えてきたツーリスト・インフォで地図をもらった跡、とりあえず目の前にあったサンタマリア・マッジョーレ教会の中へ入ってみる。
立派な教会。 これまた大きくて・・・。 |
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サンタマリア・マッジョーレ教会 |
空高くには、このような彫像も立っている。 | |
中は、煌びやかな装飾が・・・・。 物凄いものだ。 天井に描かれた絵も、彫像も、どれも年季が入っている。 このような教会に人々は入り浸ったのだなあ、とそんなことを想像する。 |
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サンタマリア・マッジョーレ教会 |
そして、そこを出て、さてどうするか・・・ と思って歩いていたら、ふと目の前にホテルの文字が。 こんなに大通りに近いのではさぞかし高いだろう・・・ と思いつつ、一応確認してみたところ、3泊分の部屋が空いていて、なおかつ、42ユーロだという。シャワー付でエアコンやファンはないが窓はある。 これでいいかと思い、ここに決める。
シャワーを浴び、すっきりしてから最小限の荷物を持って再度散策へ。
トレビの泉、そしてヴィットリアーノへ
歩き出して、まず、オペラ座に向かった。 恐らく、何がしかの公演はやっているだろうと思うからだ。 |
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サンタマリア・マッジョーレ教会の裏側 |
一応、目指すはオペラ座ですが、あまり気にせず、大体そちらの方向へとぶらりぶらりと歩いて行く。 | |
土地勘が掴めないが、時間もあるので、土地勘が出来るまではゆっくりと散策をする。 | |
裏道などを歩くと、少しずつその町の姿が見えてくるかのようだ。 | |
割と迷わずにオペラ座をたどり着いた。 ここでは、明日のオペラのチケットを買った。 どうやらここでは公演をやっておらず、コロッセウムで野外オペラが行われているようだ。 なかなか楽しみだ。 terme di caracalla というところで行われるようだ。 |
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オペラ座を抜け、更に散策を。 | |
よくわからないが、立派な階段を抜けてゆく。 | |
ちょっとした公園に、銅像が飾られていた。 | |
そこには、疲れた人々が横になって眠っていた・・・。 | |
その公園を抜けると、見渡しの良い丘に出た。 | |
町の姿が、遠くまで見渡せる。 段々と、雰囲気の良い町に入ってきた。 |
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坂を降り、更に散策を進める。 | |
人が多くなってきた。 | |
そして、土地観もまだつかめていなかったが、ふと、あの有名なトレビの泉へと到着した。 これまた人が多い・・・。 びっくりだ。 トレビの泉の周辺には、露店などもいくつか開かれていた。 |
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それにしても、よく言われていたのと違い、日本人は数えるくらいしかいない。 有名な観光地は日本人だらけだと聞いていたのだが、たまたまだろうか。 |
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そんなことを思いつつ、あまりにも人が多いためにいそいそと離れ、更にぐるりと散策する。 | |
更に歩いてゆくと、目の前に、何やら目立つ建物が。 何だろう・・・・。 |
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見えてきた。 ここはどうやら、ヴェネチア広場とヴィットリアーノのようだ。 |
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巨大なヴィットリアーノ。 写真では「大きさ」が伝わりにくいが・・・。 この写真は、かなり遠くから撮ったものだ。 |
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ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂(ヴィットリアーノ)
近くからヴィットリアーノを見上げる。 ここは、どうやら、”タイプライター”とか”ウエディングケーキ”とかいうあだ名が付けられているようだ。 ローマ中心部に建てられた近代建築の中では最大のものらしい。 |
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銅像が、とてもりりしい。 | |
ヴィットリアーノの周囲には古びた建物が遠くまで広がっている。 | |
立派な銅像。 | |
天使の像。 | |
周囲に広がる市街と、白い天使の像。 | |
天使の像を見上げる。 | |
旧市街の数々。 | |
旧市街の数々。 | |
ヴィットリアーノを登ると、そこにはこのような回廊が。 地上から数十メートルのところに続くこの回廊は、「見事」の一言だ。 |
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回廊から、市街を眺める。 | |
回廊からの景色。 | |
そして、ヴィットリアーノを離れる。 それにしても、このような巨大な建造物を見た日本人の先人たちが何を思ったのか・・・ といったことに思いを馳せた。 それにしても巨大だ。 柱もそうだし、その天井に描かれた壁画、そして天井の上にすら彫像が飾られている。 それもどれも、半端な大きさではない・・・。 |
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そして、ヴィットリアーノを離れ、やがては宿の方面へ。 目の前にコロッセウムも見えてきたが、時間もそろそろ夜なのでまた後日にすることにしました。 明日、コロッセウムでオペラ観劇なので、その前にでも見れば良いと思った。 |
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そして、宿の周囲をぶらぶらとする。 ピザを食べ、ふと歩いていると、教会でオペラのコンサートを行うとチケットを売っているではありませんか。 少し考え、1枚購入した。 |
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そして、時間もあったのでスーパー(これまた分かり辛い地下にあるスーパー)に寄り、水とジュースとバナナを買い、一度部屋に戻ってからオペラを聞きに行った。
これまた・・・・ 素晴らしい。 こんなにもオペラが素晴らしいものであったとは。 惚れ惚れとしてしまった・・・。 |
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この教会の音響が良いのか、或いは、楽器と歌手の声が素晴らしいのか。 どちらにせよ、とても深く染み入るように滑らかな演奏と、深くそして高らかに歌い上げる4人のオペラ歌手の歌声に、聞き入ってしまった・・・。 | |
これで20ユーロ、3000円しないくらいなのだから安い。 こんなにも近くで、こんなにも小さな会場で生演奏を聞かせてもらうなど、まったく、贅沢というものだ。 さすがはローマだ・・・。
東京のオペラシティで聞いたならいくら必要なものか・・・。
そんなこんなで、1時間もあっという間であった。 オペラに聞き入り、そして、その余韻に浸りつつ、ホテルへと戻った。
明日はどうしようか。 とりあえずヴァティカンに行き、空いている間に美術館を観劇できたら、と思う。