夜行列車でアスワンへ
起きたら、まだ電車は線路を走っていた。 | |
ふと止まった駅の名前を確認すると、Edfuというところのようだ。 | |
川岸にはフェリーが沢山止まっていて、これがナイル川クルーズなのだなあ、と思う。 | |
ナイル川を見つつ、電車は進んでゆく。 カイロ市内でもナイル川クルーズと称してツアーが企画されているが、その多くは川を少し渡って終わりのようだ。 しかし、ここ上ナイルに来れば、数日にも及ぶナイル川クルーズが楽しめる。 |
|
私は時間の関係でクルーズは行えないが、機会があればやってみたいものだとは思う。 エジプトのことだから、かなり高いと思うが。暴利なほどに。 |
|
9時15分、いよいよ電車はアスワンに到着。 | |
さてどうしようかと思ったが、とりあえずは宿を決めることに。 | |
入り口がちょっと綺麗だったので入ってみたのが、割と川に近いRAMSES HOTEL ASWANというところだ。 | |
ここは65ボンドで窓からナイル川も見ることができる。 ← 窓からの景色 なかなか良いところ。 |
|
シャワーも個室についているのがポイント高い。
カイロの動揺の値段に比べてかなり良いと思える。
さて、これからどうしようかと考え、フロントからいろいろ聞き出す。
どうやら、イシス神殿のあるPhilaeとアスワン・ハイ・ダムが見所らしい。
ホテルのフロントが呼んでくれて、2時間で65ボンド。
でも、3時間でも良いと交渉したが、結局は頼まずに、とりあえず外に出てみた。
まずは町をぶらつく。 | |
裏道を。 特に危険は感じない。 のんびりとした町だ。 |
|
買い食いをしたり、サンドイッチを買ったりした後、駅前に行って同様のスタイルでいくらかを聞いてみた。 最初、アスワン・ハイ・ダム(いわゆる「ハイ・ダム」)とPhilaeに行って3時間で50ボンドと言ってみたら、話をしていた2人のエジプシャンが おーお と微妙な顔をした。 鋭いところを突いてくると思ったのか、さほどぼったくることなく、70は欲しい、と言って来た。 更には、4時間でいいという。 |
|
それに加えて、ソビエト・エジプト・記念館(Soviet-Egyption-Memorial)とUnfinished Obeliskというところにもよるとのこと。そうなれば、ホテルのフロントの条件よりも遥かに良いので、この人に頼むことにしました。
そして、2人の間でアイコンタクトがあり、太っちょの黒人が案内してくれることに。
アスワン・ハイ・ダム
そしてタクシーで、まずはアスワン・ダム(いわゆる旧ダム)へ。 これだけでもたいしたものだ。 ハイ・ダムだけでなく、旧ダムもとてつもなく大きい。 |
|
ところで、この人は、どうやらヌビア人らしい。 リビアではなくヌビア? 聞き間違えかも知れないが、確かに、このアスワン・ダム(いわゆる「旧ダム」)が出来る前にその場所に住んでいたのがヌビア人とのことなので、辻褄は合う。 |
|
そこから暫く走り、今度はアスワン・ハイ・ダム(ハイ・ダム)へ。 | |
これはこれは、とてつもなく大きい。 たいしたものだ。 ダム湖もかなり大きい。 こいつはびっくりだ。 |
|
ダムの中央に休憩所があるので、そこで展望を楽しむ。 | |
本当は途中の写真は撮ってはいけないところもあるようだが、運転手はそれほどうるさくは言わなかった。
"待て待て"とか"良いよ"などとニュアンスをするのみだった。
言葉があまり通じなかったこともあるかもしれない。向こうは英語があまり得意ではないようだった。
ダムの反対側には、発電所がある。 | |
これは、アスワン・ハイ・ダムの中央にある、ソビエトの記念塔。 資金提供の証のようだ。 |
|
面白いデザイン。 | |
上が丸くなっている。 ここで、写真撮ってあげてチップもらおうとしているおやじがいた・・・。 それだけで食っていけるのか・・・? 謎だ。 |
|
フィラエ島のイシス神殿
そして、その後、Philaeへ。 | |
フィラエ島のイシス神殿へはボートをチャーターして行くようで、タクシーはその前で止まって待っていることに。 ボートは、数人で割れば安いのですが、私は1人でチャーターしたので40ボンド取られた。 最初は60と言って来たのだが、40で行ってもらった。 グループだとかなり安いようだが、これは仕方がないか。 |
|
そしてボートでイシス神殿へ。 | |
次第に島が見えてきた。 | |
あれがイシス神殿か・・・。 | |
そして、そのボートを岸に待たせたまま、イシス神殿を閲覧する。 | |
ここは、アスワン・ダム(旧ダム)ができた後、上昇した水位により周囲を水で囲まれてしまったようだ。その後半年の間は水に浸かったイシス神殿を旅行者は見学していたのだとか。 しかし、アスワン・ハイ・ダムの建設が持ち上がり、それにより永久に水の底となってしまうイシス神殿は1972-80にかけて隣のアギルキア島に移されたのだとか。 |
|
元々あった場所から移した結果、所々つぎはぎだらけなのがもったいなく感じる。 | |
とはいっても、ドラクエで印象に残っていたイシス神殿、その本物を見ることが出来て何よりだった。 | |
人が多い。 | |
壁に描かれた壁画。 | |
中に入れる。 | |
壁画 | |
周囲は水。 | |
壁画。 | |
遠くから眺める。 写真ではよく見ていたところだが、実際に見てみると、また違った感触があった。 |
|
Unfinished Obelisk
その後、ボートで岸に戻り、タクシーを使って町に戻る。その途中で最後の目的地であるUnfinished Obeliskへと向かう。 ここは町からも近いようですが、何がしかのツアーではここも立ち寄るようになっているみたいだった。バスが沢山止まっている。 ここは、さほど面白くはない。 |
|
早々に立ち去るが、出るところにあるお店でTシャツを無理やり買わされた。 とはいっても、値切りに値切って原価近いところまで落として買ったので、原価が分かったことにより、その後の交渉に大きく貢献したので良かった。 Tシャツを見せられて、奥の部屋に案内されたらその小さな入り口に立って店から出さない戦法。 |
|
最初はUS15ドルと言って来たのだが、そんな高いのはありえないので5ボンドといいつつけた。
US15ドルは約80ボンド相当ですが、粘りに粘って、ついに15ボンドまできた。
そこから更に下げようとすると、他の人が割り込んできて、15ボンドは高くないぞ! と助言してくれた。
お店の人もついにやけになって、15ボンドは自分が買った値段だ! と言い出した。
その結果、あまりことを大きくするのは何なので、15ボンドでそれを買うことにしました。
もともとの15ドルから5分の1に下がったわけだ。
店から出た後、助言をしてくれたほかのお店の人が近づいてきて、15ボンドは安い、他のお店は60とか言ってくるぞ、といってくれた。 私は、最初は高い値段を提示されたことを伝え、そうか、ということで握手してサンキューを言って立ち去った。
そして、中を散策していたら、現地のおじさんが「あれがUnfinished Obelisk」と教えてくれた。 親切だなあ、と思っていたら、きちんと「チップ、チップ」と要求してきた(苦笑) ちょこっとあげたら、「少ない」とか言ってきた。 これ以上あげませんよ・・・。 そして、そこを出た。 |
|
タクシーに乗り、駅前にようやく戻ってきた。
ここで70ボンドを渡した。
喜びもせず、普通の表情だ。これが定価なのだろう。
バクシーシを期待していたのかもしれない。
少し疲れたが、この後、町を散策することにしました。
アスワンの街中散策
街中の子供たち。 | |
駅から南へと続いている道を歩くと、そこは、おみやげ物屋で一杯だった。 | |
これほど沢山のボッタクリ商店が並んでいるのを見るのは圧巻だ。 なんとも素晴らしい。 |
|
ずっと歩いていたら、やがて、モスクに辿り着いた。 | |
ここで他の人の礼拝を眺めた。 なるほど・・・。と思っていたら、不思議と眠くなってきた。床もひんやりとしていて気持ちがいい。 私は床に座ってうとうと眠り始めた。 |
|
気が付くと、礼拝は終わっていた。
この中には、くぼんだ円柱の形のものがあり、そこがサウジアラビアのメッカを意味しているようだ。
その前で礼拝をしている人たち。
私は後ろのほうでずっと見ているうちに眠り込んでしまったということだ。
そして、暫くそこでゆったりした後、再度街中へ。
裏道を通る。 随分と古ぼけた町だ・・・。 |
|
先ほどの商店街を巡った跡に一度ホテルに戻ることにする。
ホテルに戻ってみると、鍵と一緒に何やら伝言が。
おかしいな・・・。何だろうと思い、フロントの人に聞いてみると、どうやらアブシンベル大神殿へと向けたツアーの案内らしい。
エジプト人、どこでこんな情報を仕入れるのだ。(苦笑)
全く、エジプト人の商売根性にはびっくりだ。
恐らく、私がチェックインした時にフロントの人と話した際に、アブシンベルに行きたいけど飛行機のチケットが取れなかったことを伝えたのが、それが回り巡ってこのような形になったのだろう。
それ以外は情報を外に出していないのでそれしかありえない。
全く、エジプト人は凄いなあ・・・。
今回の寝台列車にせよ、これにせよ。
フロントの人が電話をして確かめてくれると、何やらフロントの横に誰かがやってきた。
ものの数分。 「これは私だ」という。
おいおい。早過ぎるぞ。(苦笑)
あんたは、待ち構えていたのか。(苦笑)
いやあ、面白くて仕方がない。
エジプト人、何でこんなに楽しいんだ。
話を聞くと、夜中の3時半に出発をして、7時にはアブシンベルについて、2時間見て、10時には向こうを出発し、1時ごろにアスワンに戻るらしい。
アスワンからアブシンベルまで400kmほどあるはずなのに、3時間で行ってしまうとは、一体何キロで走ってゆくのか・・・。
ちょっとおっかない気がしたが、この機会を逃してしまうとアブシンベルにいける機会がなくなってしまう。
しかも、値段はそこそこリーズナブルかもしれない68ドル。
もうちょっと安くてもいいかもしれないが、せっかくの機会だから、というこちらの心理をよく捕らえた値段だ。
これ以上高くても微妙だし、安ければ殺到し・・・。
見たいな、微妙な価格帯を提示してくるところが心憎い。
結局、これを頼むことにしました。
目の前の銀行ATMでお金を下ろし、すぐに支払う。
そして、明日の朝2時45分にモーニングコールをお願いした。
さて・・・。以外にもアブシンベルにいけることになってしまった。
もう行けないと諦めていたのに。
でも、明日の予定が全く決まっていなかったので、これはいい機会だ。
ガイドブックには、アブシンベルまでツアーで行くと450ボンド(2000年)と書いてあり、このガイドブックの値段の約2倍が実際であるところを考えると、68ドル(390ボンド相当)というのは、割とリーズナブルと言えなくもない。飛行機で行くと片道でこれ以上かかるのだから。
そして、明日の予定も決まったところで、街中を再度散策することに。
先ほどのお土産通りを歩いていると、Tシャツ売りが近づいてきた。
こいつは面白いやと思って話を聞いてみると、コットン100%のTシャツが150ボンドという。日本円にして3000円以上。高すぎ。何考えているのかサッパリ分からない。
話にならないといって、ノーサンキュウ、これは話になっていないと言って立ち去ろうとするが、いつまでも付いてくる。
うるさいので、5ボンドなら買うといったら、からかっているのか? と言って来た。
さすがに先ほども5ボンドでは買っていないので、10まで引き上げたが、なかなか向こうは引き下がらない。
無視して歩いてゆくが、再度追いかけてくる。
既にお店から30mは離れている。(苦笑)
もういいやと思って、15ボンドなら買う、と言った。
すると、向こうは50ボンドだ! といってくる。
ちょっと下がった。
でも、15ボンドだ! と延々と繰り返す私。
もう相場は分かっているのだから怖いことはない。
さほど買いたくもないし、向こうがあきらめればいいことだ。
私が歩き、向こうが追いかけ、値段の応酬がかなり続いた。
ついに20ボンドまで下がった。(笑)
最初の150ボンドの7分の1。 あとちょっとだ。
ついに15ボンドに下がり、OK! を出した。
露天商の男は、目が血走っていた。
サンキュウー、マイフレンドといって私は立ち去った。
勝利だ。(苦笑)
その後、パンに肉を挟んだものを買おうと思ったら、アラビア数字で書いてあるものと算用数字で書いてあるものと、それぞれ2倍になっている物を発見した。(苦笑)
私はあらかじめ、アラビア数字だけは暗記しておいたので、こいつはおかしい、何だこれは、といったら、なにやら、ボイルしてあるかどうかの違いだ、などと言い訳じみたことを言い出した。
そんなことあるわけがないじゃないか。(苦笑)
それぞれ同じ名前のところが2倍になっているなんてありえないでしょ(苦笑)
全く、エジプト人は面白すぎる・・・。
長いパンに何かの肉をつめたものを2ボンドで買い、やがて、帰途に着く。
明日は早い。早めに休んで、明日の日程に備えようと思う。