ルクソール西岸・王妃の谷(The Valley of the Queens)
今日は、朝7時に起きてルクソール西側の散策をする。
ツアーに参加するので、それに合わせて起きる。
ツアーは、英語のガイドが着いて、ミニバスで行く。
少し移動したところで合流し、出発だ。
でも、走り初めてすぐ、聞いていたことと違うことが分かる。
5から6人ということで追加料金を支払っていたのに、どんどんと数が増えて13人+ガイドになった。
最初30ボンド、半々に折半して15ボンドを追加料金で支払ったのに、まさかこうなるとは。 奪い返さなくては。 お金の額はたいしたことがないが、きっちりしていないのが気に食わない。
狭いバスに押し込まれ、足元が狭かったが、そんなに遠いところに行くわけではないので、我慢してゆく。
ガイドはおしゃべりであり、ジョークが微妙なことを除いてはまあまあだった。 なまりに慣れなくて、最初は言っていることがいまいち分かりづらかったが、次第に慣れてきた。
ルクソール市内から南へ7kmほど走ったところにある橋を渡り、向こう岸へ。 そのときに説明されたのが、砂糖の畑がテロリストの隠れ場所になるから道路に近いところには栽培できないこととか、キャベツがとても大きいとか、ざっくばらんに説明してくれた。
大抵のツアーは王家の谷から先に行くのでとても混雑するが、混雑を避けるために我々は王妃の谷(The Valley of the Queens)から行く。
ここは小さな墓だが、ツアー客がやがて押しかけてくるのを避けるため、空いているところを観光する、とのことだ。 勘でしかないが、騙されている気がする・・・。本当にそうであれば、同じように考えるグループが他にも多数いるはずだ。 周囲は本当にガラガラである。 でも、そんなことはあまり考えないようにする。 |
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ここは小さいが、どうやらここがネクロポリスの中でもかなり綺麗な壁画が残っているところであるようだ。
英語の説明が所々分からないところもあるが、大体の概要だけつかむ。 まだまだ英語ができないと感じる。なまりのせいかどうかもわからないのはまだ未熟だからか何なのか。 次第に慣れてはきたが。
そして、王妃の谷(The Valley of the Queens)を離れ、いよいよ王家の谷へ。
ルクソール西岸・王家の谷(The Valley of the Kings)
ここは、物凄く込んでいた。 どうやら、数多くある墓の中から3つを選んで入ることが出来るようだ。 |
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どうやら、奥深さよりは装飾の綺麗さで入る墓を選んでいるようだった。 奥深くまで続いている墓は綺麗ではないから入らないのだとか。 私はそっちの方が良かったが、ガイドがそう言うのだから仕方がない。 | |
確かに綺麗ではあるが、どこか平べったいものを感じる。 アブシンベルと比べるとどこか見劣りしてしまう。 | |
デール・エル・バハリ(Deir el-Bahri)の
ハトシェプスト女王葬祭殿
王家の墓を見た後、デール・エル・バハリ(Deir el-Bahri)のハトシェプスト女王葬祭殿へ。 | |
ここは広い神殿で、一通り散策をする。 | |
デール・エル・バハリとはアラビア語で「北の修道院」の意味だそうだ。 | |
神殿側から見下ろしたところ。 | |
たしか20分かそこらしか与えられなかったが、ガイドが言うとおり「十分」のようだ。 | |
これで、いわゆるルクソールの定番と呼ばれている箇所を全て回ったわけだ。 そして、ミニバスでホテルへと戻る。 |
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ミニバスを降りる際、皆がチップをはずんでいた。
大体US1ドル程度。 私はあまりバクシーシしないほうですが、まあ、あげるかと思ってUS1ドル上げた。 このガイド、そんなにお金に困っているようには見えないけどな。 まあ、いいか。
ルクソールの街中を散策
エクスカーション(少ツアー)も終わったので、街中を少し散策することにする。 | |
マーケットを散策。 最初は綺麗だったが、次第にこのような地元風な通りになった。 狭くて微妙な通りだ。。。 |
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すると、マックがあったのではいることに。
今までエジプト料理だらけで食が進まなかったので、マックのようなジャンクフードであってもついつい食べてしまう。 こっちのマックは少し違う味がするのも確かだ。 基本は同じだが、化学調味料が少ない気がする。
そして、一度ホテルに戻る。
先日のスタッフが私を見るや近づいてきて、どうだったか? と聞いてくる直前に私は部屋に戻ろうとした。
そこで、「ツアーが5から6人と聞いていたが、13人だった。何か言うことがあるのではないのか?」とだけ言ってへやに戻ろうとした。 向こうは私が何を言っているのかすぐには読み取れなかったらしく、「良かったか?」とだけ聞いてきたので「ああ」と答えた。
部屋に戻り、シャワーを浴び、再度外に出る。
外に出る瞬間に呼び止められて、「人数が増えたのは出発直前に伝えられたので知らなかった」と言って来た。 お金を返す気配はない。 私は、「そうか。わかった。」とだけ答え、「問題ない」といった。
その時点で、一度外に出た。
すると、外に出て表通りを少し歩くとすぐに、他のエジプト人が話しかけてきた。しかも、片言の日本語だ。「日本食。親子丼、卵ドン、あるよ」と言ってきたので、半分ホームシックにかかっていた私は、「よっしゃ」と、軽々しくも付いていった。
どうやらホテルの最上階らしく、ちょっと不安であったが、まあ、どうにでもなるかと思ってついていった。
すると、親子丼が4ボンドと、良心的な値段。 何だこれは。
ただ、出てきた親子丼は、日本人が想像するようなどんぶりではなく、米っぽいのと卵がぐちゃぐちゃに混ぜられたようなもの。しかも、どんぶりではなくただの皿に入っている。 お肉も入っていない。
味も微妙・・・。
さすがにこんなエジプトで日本風の親子丼は出てこないか。
ここで勧誘してきた男と話したが、彼は自分のことを「熱心なイスラム教徒だ」といい、どこのホテルに泊まっているか? と聞いてきて、「ニュー・エベレストだ」といったら、「この地球の歩き方に、盗難要注意として載っている。危ない危ない。」(日本語で)と言って来た。
確かに、盗難があるので注意! と書いてある。(苦笑)
私はなんて酷いところに止まってしまったのだ。 我ながら情けない。こういうことがあるから旅は面白いという面もあるのだが。
とは言っても、この男も怪しい。(苦笑)
話を聞くに、ルクソール西岸のツアーは料金込みで170ボンドだという。 私が345ボンド払ったというと、物凄く高いー と言って来た。
エジプト人のことだから、これがどの程度信用できるかわからない。 ずっと信用させておいて最後の最後で騙すことだって十分にありえるし、常套手段であるからだ。 町全体が嘘をついているということもある。 アガサクリスティの有名推理小説は確か、車両に載っている全ての人が共犯だったようにも思える。
だから、話半分に聞くが、とりあえず判断できる情報の中から選ぶと、このホテルはベッドとホットシャワーだけに機能を絞った設計で、約8ボンドだという。安すぎ。
この男が言うに、デンダラ(Dendara)とアビドス(Abydos)が見るべきところだという。特にアビドスが良いらしい。朝7時にコンボイになって出発し、4時に戻ってくるプラン。それで300ボンドだという。まあ、そんなものかと思う。
まだカナック神殿を見ていないので、帰りにカナックで下ろしてもらうことにし、それをオーダーする。
とは言っても、それが正規料金なのかどうか、全く持ってわからない。
けれども、明日することもほとんどないし、もういいや、という感じだ。
この男が本当にいい男なのかどうかなんて、全くわからない。
親子丼が安くて良心的だということと、私の泊まっているホテルがブラックリストに載っていたということと、どうやらこのホテルと私の泊まっているホテルは敵対関係にあるということと、私のホテルだと350ボンドのタクシーチャーターが300ボンドにまで下がったという事実だけが信頼できる情報か。
この男が信用できるかどうかはわからない。しかし、エジプト人は約束は守るようであるし、350から300に値段が下がったという事実だけでも、オーダーする理由に十分なる。
まあ、エジプト人は良くわからない。理解不能。
それはそれとして、値段だけを見て決めたようなものだった。
それと、このホテルの名前は言わないようにと念を押された。 とは言っても、場所が近くで日本食レストランがあるホテルなんてすぐにわかるのだが。
そして、直接ここには来ず、駅を経由してくるように指示を受ける。
どうやら、後をつけて来るからだという。
もしかしたらこの人はいい人なのかもしれない。だが、30分ほど会っただけでは、そんなことはわからない。
今日は日も暮れたし、ルクソール美術館にだけ行くことにする。
少し歩き、ルクソール美術館へ。
これまた高い! 何だこの値段は。70ボンド。約2100円だ。
日本の美術館と同じか二倍以上するこの値段は一体、何のつもりか。
ここ一箇所で済めばよいが、1日に何箇所もこれではたまったものではない。
いくらエジプトの観光がしたいといっても、この値段では客が減るだろう。9・11から旅行者が減っていると言うが、この値段で更に客が減っていることだろう。自分で自分の首を絞めている。 おまけに旅行会社は正規料金が存在しない、勝手気ままな値段の付け方をしているし。 全く、訳がわからない。
面白い面もあるし、人畜無害であるのでたまにはいいのですが、一つ見るだけで数千円がすぐに飛んでしまうこの状況、どうにかならないものだろうか。 私は少なくとも、こんなに高いことがわかっていたならば来るのを躊躇していた。
ホテルは安いが、観光はどれも日本と同じか2倍近い値段のこの国は、まさに、文字通り観光で食べている国なのだなあ、と思う。
だからどこに言ってもツーリストポリスが銃を持って守っているし、その費用のために値段も高くなっている。
旅行者に寄生して生きているエジプト人、という面が強く見える。 これじゃご先祖様も悲しむだろう。 ああ、今はアラブ人だからエジプト人とは少し違うか・・・。ご先祖様が繋がっていないからこそ、墓を見世物にするという暴挙が出来るのかもしれないが。
日本であれば、仁徳天皇陵を掘り返して観光客を呼んでいるようなものだ。 エジプトの文化が泣いている。 そこに来ている私も同属になってしまうか・・・。
ルクソール美術館に行き、先ほどの話で、ツアーの料金の平均を知っているか聞いてみた。 すると、英語が通じにくかった。よくわからないといって来た。 更に、大体のツアー料金としてシャトルバス13人乗り一台で1000から1600ボンドあれば車が走ること、そして、ツアーの英語ガイドは1日で大体500ボンドであることを聞き出した。
これが聞きたかったのだ。 これがわかれば、大体の費用が逆算できる。
13人だとシャトル1台で一人当たり100ボンドがベースとなり、英語ガイドが500ボンド。合わせて1500ボンド。それにマージンが上乗せされて、1700から2000といったところか。 チケット代を抜くと205ボンドであるから、マージンが2重(旅行会社と、ホテルのフロント)入っていることを考えると、大体この値段であることがわかる。なるほど。
更には、川岸の旅行代理店の並んでいるところでツアー料金の表を入手したところ、45USドルと書いてあった。約5000円前後。これはディスカウント前の値段であろうか。ちょっと高すぎる。外国人はこんなに値段が違っても払ってしまうのか・・・。 値段表が信用できない。エジプトは困ることだらけだ。
これだけでは終わらず、歩いている旅行者に少し聞いてみたが、どうやら、去年は王家の谷の入場料は55ボンドであったという。今は70ボンド。その他のところももっと安かったという。美術館の警備員が言っていた、どんどんと改定されている、という情報は本当だった。
そして、今の値段は知らないが、ルクソール神殿の南にある本屋でロンリープラネットを見てみるといいとアドバイスを受けたので、それを見てみることに。
こんなことになるならば、最初からロンリープラネットを持ってくればよかったと少し思い始めていた。
早速行ってみたが、シートが被せてあって見ることが出来ない。残念。
見易さはRough Guideが勝っているが、情報面ではロンリープラネットがやはり一番信頼できるのかな? とおぼろげなく感じた。さすがに数ヶ月前の情報はアップデート出来ていないだろうが、Rough Guideのように2000年当時の情報のままということもないだろう。
まあいいかと思い、最後の手段、ネットを検索してみることに。
いろいろ出てきたが、新しくても2006年中十運の旅行記しか出てこず、2006年11月に改定された新料金を踏まえたツアー料金の情報が出てこなかった。
うーん、困った・・・。 と思い、もういいやと思って情報収集はあきらめ、ホテルに戻る。
確固とした情報が見つからなかったので、交渉もし辛い。
まず、追加料金の15ボンドは返してもらった。これは、あっさり問題なかった。
自転車の料金25ボンドのうち、15ボンドは返してもらうことにしました。全額ではないのは、既に彼は自転車を借りてしまっていたからだ。
これで30ボンド返してもらった。
ここまでか、と思った。 これ以上は返してもらう根拠がない。
まあ、いい線だと思う。
既にOKしてもらったものがある程度帰って来たのだから。
これで、ツアー345ボンドだったのが315ボンドまで下がった。入場料が130ボンド込みなので、実質、ツアー料金は185ボンドだ。
このくらいなら、まあ、こんなものだろう。
自転車の県もあるので、実質175ボンドだ。
終わってみれば、相場+αくらいに収まった気もする。
これで納め、部屋に戻る。
たった30ボンドのために大人気ない気がしなくもないが、エジプト人に外人はすぐに金を出すと思われないためにも、筋が通っていないことには値段の高低に関係なく交渉をしなくては。
そして、部屋に戻って片づけをしていると、先ほどのムハマドがやってきた。
どうやら、屋上でビールを振舞うらしい。
無料だとか。
おいおい・・・ と思い、とりあえず後で考えるとだけ伝える。
何か企んでいるのはみえみえだが・・・。だって、ビールが無料ですよ?
何がしかツアーに参加させようという考えだろうが、とりあえず私の明日の予定は決まっているのであまり関与せずに過ごすことにする。
明日はとても早い。
さて。明日はデンダラ(Dendara)とアビドス(Abydos)に行くことにする。
どうなることやら。 エジプトのことであるし。