ヤド・ヴァシェム(Yad Vashem, ホロコースト歴史博物館)と杉原千畝の石碑(というか「木」)

2015-06-04 記載
トピック:イスラエルエルサレム

ヘルツルの丘(Mount Herzl)の国立市民墓地(Helkat Gdolei Ha'Uma)を抜けて、ヤド・ヴァシェム(Yad Vashem, ホロコースト歴史博物館)に行ってみる。



このヘルツルの丘(Mount Herzl)には杉原千畝の石碑があるらしいので国立市民墓地(Helkat Gdolei Ha'Uma)の中でも名前をチェックしてみたのだが、見た限りでは見つからなかったのでヤド・ヴァシェム(Yad Vashem, ホロコースト歴史博物館)の中も探してみることにしました。 (下記参照。「木」なら発見した)

この施設は入場無料。
中は撮影禁止。



展示はかなり充実していて、学校や軍人っぽい研修生が多く来ていた。

一通り読んだが、日本のことはほとんど書いていなかった。
書いてあったのは
「パールハーバーで日本が参戦」
これだけ(苦笑)

杉原千畝も、樋口季一郎のことも全く書いていないよー。

いろいろ知らなかったことがあったのだが、
・ロシアには収容キャンプがなかった。 というのも、浄化という名目でその場で虐殺していたのでキャンプを必要としなかった。
・ブルガリアは国がナチスの要求を拒否してユダヤ人を匿った
・デンマークも国がナチスの要求を拒否した
・イタリアではナチス占領下でユダヤ人と同様の人種選別が行われ、劣等人種と判断された9~15万人がユダヤ人と同じ運命を辿った
・イタリアではユダヤ人の多くが市民によって匿われ、スイス等に多くが逃れることができた

などなど各種の記述がある中で、日本のことが全く書かれていない。



どうなんだろうなー と思って、ホロコースト歴史博物館を出た後に敷地内を散策し、資料館みたいなところで杉原千畝のことを聞いてみたのだ。 (樋口季一郎の石碑があるとは聞いていなかったので、彼のことは聞かなかった。)

最初、ゴールデンブックのStone(石碑)がどこかを聞いたが、「ゴールデンブック? 何それ?」 みたいな感じでまったく通じず。 どこかのサイトに「ゴールデンブックに載った石碑」とか書いてあったのだが、そうではないの? その後、杉原千畝 (CHIUNE SUGIHARA)という名前を出したら、「ああー、外交官の人ね」みたいな感じになって話が通じた。

さすがにほとんどのスタッフが知っているほどの有名人のようだ。

どうやら、石碑というよりは、ここには「木」があるようだ。
その木の横にはプレートがあるので、これを石碑と呼べなくもないが、石碑とはちょっと違うよねえ。
これとは別に、石碑があるのかな?

↓ 正確な場所はここ。 入り口のInfoに聞くと大体の場所は教えてくれる。 Childrenの入り口の裏側(北側)だ。 通路から見える位置にプレートがかけてあるので靴を汚す必要はない。 私は奥まで探しまくったので靴が汚れてしまったが。



以下の赤い×印のところが「木」。
青い×印は Children’s Memorial の入り口。
青い○印はインフォメーションセンターの位置。 インフォメーションセンターから左下(南西)に向かうとホロコースト歴史博物館に入れる。 ホロコースト歴史博物館の出口は左上のあたりなので、そこから出口に向かう途中にあるChildren’s Memorial の入り口の裏側を見れば杉原千畝の木とそのプレートを発見することができる。



こちらにも公式マップがある http://www.yadvashem.org/yv/en/visiting/map.asp


↓これが、Children’s Memorial の入り口。 この向こう側に木はある。


日本のサイトを見ると「エルサレムの丘」とか書いてあるが、エルサレムに丘はたくさんあるし、「人道の丘」なんて、、一体どこだ? という感じだったので、これをリクエストしてくれた元同僚のGoogle Mapのガイダンスがなかったから発見できなかったところだ。 もっとも、ヘルツルの丘(Mount Herzl)は広いのでどこにあるのかは探し回らないといけなかったが。

引用:
1969年 イスラエル政府宗教大臣より勲章を受ける
1985年 1月18日 イスラエル政府より「ヤド・バシェム賞(諸国民の中の正義の人賞)」受賞
1985年 11月 エルサレムの丘で記念植樹祭と顕彰碑の除幕式。
http://www.chiunesugihara100.com/visa-thanks1.htm

引用:
1985年にはイスラエル政府からヤド・バシェム賞を受賞し、エルサレムの丘に顕彰碑が建てられました。
http://www.wasedaweekly.jp/detail.php?item=1123

上記を見る限り、「エルサレムの丘で記念植樹祭と顕彰碑」の木の方は発見したっぽい。
顕彰碑は、その木の横にあるプレートのことかな? それとも別の何かがあるのかな???



それにしても、イスラエルは想像以上に世界史を理解する上で重要なことに今更ながら気付いた。
イスラエルを単なる悪者、としてしまうと世界史を見誤るような気がしてきた。

そして、ホロコーストはたった70年前に起こった悲劇ということを思うと、人間の性質というものは一体どうなっているんだろう、と、状況が理解できない感じだ。

おびただしい靴の数。 虐殺されてゆく人々。

そして、そんな中で生まれたイスラエル建国運動。


なんとなく思ったのは、イスラエルとは、日本人が理解するには以下のように考えればいいような気がした。 あくまでもSFチックに置き換えてみましたよ。

・元寇が仮に成功していたとする。日本は中国に占領され、日本人は捕虜になり奴隷になるか、或いは他の国に逃げ出して祖国を離れざるをえなくなった。
・日本人は、各国の日本人居住区に暮らすようになり、日本人同士のネットワークを発展させた。
・近年、D国により日本人が劣等人種と見なされ、発見次第「浄化」の名の下、強制収容キャンプに入れられ、ガス室で殺された。
・世界大戦が勃発する。 日本人は各国を追われて逃げ出すが、逃げた先がD国に占領されると更に逃げる必要に迫られた。
・大戦が終わり、日本人の虐殺は終わって歓喜する日本人。 このような悲劇を繰り返さないため、日本人は日本人がもといた土地へ帰るべきだ、という建国運動が始まる。
・既に日本列島には中国人が多数移住しており、「どうして自分たちが立ち退かないといけないのだ」と反発をする。
・そこで戦争が起こり、日本人が勝って、日本列島の一部から中国人を追い出すが、まだ一部に中国人が居座っており、国際的な世論を引き起こして日本人の残虐非道ぶりを世界に宣伝している。
・日本列島は日本人居住区と中国人居住区に分断され、行き来にも制限がある。
・中国人居住区では「人間の盾」により学校や病院が武装化され、ミサイルが日本人居住区に向かって多く発射された。 反撃をするためには学校や病院を攻撃しないといけないが、そこで死人が大量に出る度に中国人は「日本人は残虐だ」と声明を出す。 実際には、市民を脅かして学校や病院から逃げてはいけないと言っているので被害は広がる一方だが、中国人は仲間の死を宣伝に使うため死者を増やす戦略「人間の盾」を行っている。
・日本人は戦いたいのではなく祖国で平和に暮らしたいだけなのだが、建国運動が元となって、争いが新たな争いを招く状況になっている。 戦争が10年に一度は起こる、非常に戦争の多い国になってしまった。

みたいに置き換えて考えるとイスラエルを理解しやすいような気がした。

中東の遠い国だしね。
日本と中国に置き換えた方が日本人には理解しやすいでしょう。





Lutheran Church of the Redeemer(次の記事)