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阿里山の神木

2008-01-03 記載
トピック台湾

今日は7時に起き、ホテルについている食事を取る。 この嘉義中信大飯店は設備もよいしサービスレベルも及第点だ。チェーンなので台湾の他にもあるようだ。次の機会があったら候補に入れようと思う。

ビッフェ形式の食事を取り、部屋に戻って荷物をまとめてから出発。

駅(火車站)までタクシーで初乗り100元で行く。割とすぐ着く。

まず阿里山鉄道の切符売り場に行き、明日の帰りの切符を買おうとしたら、どうやら帰りの切符は向こうの站(駅)で購入する必要があるらしい。ここでは買うことができなかった。

私が切符売り場の近くにいると、何人かの客引きが阿里山ツアーに誘ってきた。ホテルの案内もある。途中のダムも見ないか? のようなことを言ってくる。 私がバスもホテルも予約済であることを知ると引き下がったが。

周囲を見ると、他にも何人も客引きがいる。 どうやら、今日は正月からも少し外れているし平日だしということで、混雑はほとんどしないようだ。これならば、予約も必要なかったかもしれない。 考えてみれば、今は冬なので"避暑"という需要もなさそうだ。

バスは時刻通りに出発する。 バスはあまり混んでいない。 帰りの切符はまだ買っていないが、行きの混雑がこれであれば、登山鉄道に乗れなかったとしても、バスに乗れず帰れないなどということにはならなさそうだ。

車は市街地を抜け、やがて山に入って行く。

それにしても、このバス、アジア風の車線はみ出し運転が基本のようだ。前を見ていると微妙に怖い。 前を走っていたフォードの車が遅くてバスが追い付きそうになってしまっている。 さすがに加速は負けるが、カーブではバスが勝っている。 話は変わるが、このフォードの車、なかなかにかっこよい。日本車にはない格好良さだ。先日見たフォードの「18」のロゴが入っているブルーの車体なども、非常に格好良かった。 フォード車欲しくなってきたぞ。

バスは山道を進んで行く。かなり登ってきたようだ。山脈が遠くまで連なって見える。

そして、阿里山站(駅)の少し手前のゲートでバスが一時停車した。どうやらここで入場料を払うようだ。これには保険料も含まれているのでなくさず保管する必要があるらしい。

各自がバスから一旦降りて入場料150元をドアのすぐそこの料金支払い所で払い、レシートを受け取った後、バスに戻る。乗り込む時に入り口にいる係の人にレシートを見せてから席に着いた。

そして、バスは再度動きだし、その少し先にある阿里山站(駅)にいよいよ到着した。

ここ阿里山は、250年前に鄒(曹)族の阿巴里という酋長が達邦(地名)から今の阿里山まで来て狩猟に来ており、彼にちなんだ狩猟場所ということで阿里山となったそうだ。

ここは標高2170mほどあるらしい。 微妙に眠くなってきたのは、軽い高山病の症状かもしれない。一気に2000m以上上がってきた影響もありそうだ。 水分を多く取るようにしたい。

バスを降りてまず、ホテルに荷物を置くことにしました。

インフォメーションセンターで聞くと、どうやら歩いてすぐのようだ。


階段を下りていくと、そこそこのホテルが見えてきた。

まあ、山の中にしては悪くない。 部屋も、まあ、まあ、か。

日本語を喋れるおばあさんがいる。とても流暢だ。

荷物を部屋に置いた後、おばあさんに、遊歩道の説明をしてもらい、明日の早朝の祝山への朝日見学の案内も受ける。 どうやら、今(の季節?)はお客が少ないので、祝山までの列車も1往復しかしないらしい。 起きる時間、御来光用の登山鉄道の時間、朝日の時間がフロント前の時計に記載されていた。ふむ。

明日は5時起きか。とは言っても、日本時間の6時であるからいつも起きる時間とさほど変わらない。

そして散歩に出かける。

と、階段を登り始めたら、30秒で吐き気がしてきた。やばい。 たまに動くといつもこれになる。 しかし、ゆっくり動いているうちに次第に楽になることは経験上わかっている。

歩幅を短くし、半歩ずつ進んで行く。 かなりゆっくりと。

車道に出て、遊歩道を進む。

登山鉄道の站(駅)に行ってみました。

駅から見た眺め。

ふと、向こうから電車がやってきた。

たまにしか来ない、数少ない電車。

線路も、それなりに老朽化している。

車道を進み、おばあさんの教えてくれた遊歩道に向かう。


おばあさんが教えてくれた道を進んでいる筈だったが、どうやらいつの間にか逆回りになってしまっていた。 あれれ。 分岐点がわからなかった・・・。 沼平站(駅)を先にまわるつもりだったのに、後になってしまった。

でも、それでも実際問題ないので、逆回りに回る。

阿里山賓館の横を通り、阿里山工作処の近くから巨木群桟道の方へと曲がる。

階段を下りていると目の前に見えてきたのが象鼻木と呼ばれている、象の鼻のように見える木の切り株。

その向こうに見えているのが三代木と呼ばれている、樹齢1500年の倒れた一代目の木の上に、二代目が芽を出し、その上に更に三代目が芽を出しているというものだ。 それらが横に並んでいる。

なんともスケールが大きい。


昔、屋久島に行ったときも思ったが、大きな杉というものは凄いものである。 写真では大きさがわからないので、この「大きさ」は実物でないと伝わらないかもしれない。

社? がある。

その先には千年桐があったりした。名前は千年でも、樹齢は2000年とのこと。

これまた、すっきりとしている。


写真では大きさが伝わらないが・・・。

そしてその先、桟道を下って行くと、慈雲寺のすぐ手前に予想以上の巨大な杉が現れた。

これは凄い。 縄文杉の方が推定樹齢が大きいようですが、それでも、存在感からしてそれに勝るとも劣らない、立派で迫力のある木である。

個人的には屋久島の雰囲気の方が「魔物がいそう」な雰囲気を出していて好きなのですが、それでも、ここ台湾は台湾として、その立派な杉の木を見せてくれている。

ここはせいぜい2000年程度の杉しか見れないが、記憶によると、ここ台湾には縄文杉より樹齢の長い杉も存在した筈だ。
阿里山香林神木

ちょっと歩いて見る分には、これは十分すぎるほど十分だ。 屋久島の「屋杉ランド」のようなところだ。
阿里山香林神木

人間が手を結んで囲もうと思っても、4~5人は必要なのではないか。

阿里山香林神木。
阿里山香林神木

そして、少し戻り、更に桟道を奥に進んで行く。


こちらの桟道に先に下ってしまうと先ほどの巨大な杉が見れなかったのだと思うと、危なかった。

この桟道からは、数多くの巨大杉を見ることができる。

巨大な杉。

人の大きさと比べると、その巨大さは一目瞭然だ。

ただ、写真だとなかなか「大きさ」が伝わらないが・・・。

写真で「人の大きさと比べてこのくらい大きい」と頭でわかるのと、目の前で杉を見て圧倒的な存在感を感じるのはぜんぜん違う。

まさに百聞は一見にしかず、である。

桟道が終わると、そこには神木站(駅)という鉄道駅が現れた。

どうやら、ここと阿里山站(駅)の間は短い区間ではあるものの鉄道が日に何往復かしており、ここから登山鉄道で阿里山站(駅)に戻る人が何組もいた。

私はそこから更に巨木群桟道の「その2」のところを辿って遊覧歩道や沼平駅(火車站)などを経由して、歩いて阿里山駅に戻ったのですが、終わってみれば、ここ神木駅から登山鉄道に乗って阿里山駅に戻ってしまうのがベストであると感じた。

まとめると、阿里山駅が起点&終点とした場合のお勧めコースは以下の通りである。

阿里山駅→阿里山賓館前→阿里山工作処の手前で細い道に入る→象鼻木&三代木→阿里山高地訓練基地の前を通る→右手にお堂(?)のようなものが見えるが、そこは戻る時に見るのでまずは直進→慈雲寺→旌功碑→阿里山香林神木→千年桐(お堂のようなものの横)→巨大群桟道→神木駅→登山鉄道に乗って阿里山駅に戻る(本数が少ないので注意)
※象鼻木&三代木の前までタクシーで行ってもOK。それ以前は見所ではありません。
※起点が阿里山駅ではなく沼山駅(火車站)の場合、象鼻木&三代木以降だけ参考にして下さい。

私は沼平公園を見ていないので、そこの判断はできない。しかし、巨木群桟道の「その1」が見れれば十分で、「その2」は無理して見ることはないと感じた。「その2」もなかなかのものだが、「その1」だけでも十分にその凄さは感じ取ることができる。

そして私は、上に書いた「その2」を通って沼平駅の方へと向かう。次第に霧が濃くなってきた・・・。

ひとやすみしつつ進む。疲れもあってか、眠くなってきた。うとうとすると、汗が乾いて寒くなってくる。 このままだと冷え切ってしまうので、再度歩き出す。

ふと、目の前にいきなり小学校が現れた。

こんな山奥に小学校とはびっくりだ。 そういえば、先ほどの阿里山高地訓練基地も、その表示がある一方で「中学校」の表示も同時にあった。

小学校の前を通り、歩道を通って池を通りかかる。

小学校の横には、このようなお寺? がある。


ここでもまた、霧が迫ってきた・・・。

霧の濃くなる中、歩いて行く。

そして、沼平駅までたどり着いた。

沼平駅の前にタクシーでも止まっているかと思ったが、人気も少なく、駅前の駐車場には車自体あまり停まっていない・・・。 仕方がないかと思って、阿里山駅までルート通り歩くことにする。

車道を通って、ずっと下って行く。

やはり、神木駅から登山鉄道で帰るのが賢かった。

そして、ようやく阿里山駅に到着。

駅前に広がっている売店で、ちょっとお土産を買うことにする。

ここは高地で、お茶も作っているようだ。

昔、屋久島に行ったときに買ったお茶がとても評判がよかったので、同じ雰囲気のあるここのお茶もちょっと気になった。お茶を眺めていたら、私ひとりしかいないのに、お茶を入れてくれるという。試飲するように、とのことだ。

疲れていてお茶も飲みたかったので、有り難く頂く。

ウーロン茶と緑茶の2種類を試飲する。 味はウーロンの方がすっきりしているが、香りはやはり緑茶の方が好みだ。 両親は基本的に緑茶が基本でウーロン茶はわざわざ飲まないので、緑茶を選ぶ。150gで500元(1750円)、100gにすると1150円ほどだ。 いつも飲む静岡茶で100g1200円というと「ちょっとおいしい」くらいのグレードだが、さて、感想はなんと言われるかな。

前に屋久島のお茶を買ったときは、100g500円でも最高においしかったという感想だったが。

ちょっと苦みがあったので、静岡茶で言うところの100g1200~1500円くらいのグレードかな。

そのお店で、会社の人へのお土産物も入手する。さて、これでほとんど心配ごとはなくなった。

そして、ホテルに戻る。

ホテルで夕食が頼めるか聞いたところ、200元で出せるという。思いのほか安い。どうやら、2人で400元という値段表があるのだが、1人だから半額、ということらしい。 1食分であっても手間はそう変わらないことを考えると、この値段はお得な気がする。

30分前までにフロントでオーダーして欲しいとのことなので、その場で時間を指定してオーダーし、お金を払う。 日本だとチェックアウト時に精算というスタイルが基本な気がするが、ここ台湾ではその場で精算、というスタイルが多い気がする。

そして、部屋でゆっくりした後、食事の時間になったのでレストランへ。

これが、思いのほか良い食事だった。

味付けが絶妙。 まるで私が日本人であることを考慮しているかのよう。 野菜や山菜が新鮮で、いくらでも食べられる。 竹の子の煮物が日本風の味付けでとてもおいしいし、野菜炒めひとつとっても、そのキャベツのしっとり感が口にまとわりついてきて更にもう一口、更にもう一口と食が止まらない。 もちろんメインディッシュは、大量に具の入ったお鍋だ。味付けは塩が基本であり、わずかに台湾風の味付け(臭豆腐のような)がなされている。

とは言っても、台湾風の味付けはとても薄く、日本人の私でもとても美味しく食することができる。 お肉はさっぱりと、かまぼこは新鮮で、ちくわのようなものは舌触りがよく、海老の天ぷら?のようなものも入っているが、これまたしっとりとした食感で、脂っこさはほとんどない。 なんという絶妙。 まさかこんなに食べるとは思わなかったほど大量に腹に詰めてしまった。 長く歩いて疲れていたということもあるが、それにしても、これほど食が進んだのは久しぶりだ。

思えば、お風呂の蛇口にも日本語で「カラン← →シャワー」と書いてあったし、浴槽もどうやら日本風。 このホテルは日本びいきなのかな? とも感じる。 おばあさんが日本語ぺらぺらだし。

ただ唯一、部屋やレストランの暖房があまり効いていないのがマイナス点。 私は着込んでいるからいいものの、薄着なら寒いですよ・・・。 布団には電気毛布があるので夜が寒いということはなさそうだけれども。

そして食事を終えて部屋に戻る。

明日は日の出を見に行く。 朝4時50分にモーニングコールがあり、5時50分に駅に到着、6時に登山鉄道出発、観日平台で朝日を見る。その後、帰りの登山鉄道が7時半に出るのでそれに乗って阿里山駅に戻ってくる。

帰りを歩いて戻ってくるという手もあるが、朝がどれだけ寒いかを明日の朝に確認してからどちらにするか決めようと思う。

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